大黒屋の天丼って実は地元民にとってはあまり評判がよろしくないんです。
でも、何故か地元のご年配の方にはとても評判がいいんですよね。
地元民としても実際のところ美味しいのか?、まずいのか?を確かめたいとは思いつつも、店先の行列をみるとやっぱ今日はいいや、と先送りしたままこの歳になってしまった。
でも今回はコロナの影響からか、なんと店先に人がいなくてまさかの待ち時間なしで
大黒屋へ入れそうなので、実際のところどうなのか?食レポしま~す。
浅草の大黒屋の天ぷらは美味しいのか?まずいのか?
大黒屋の天ぷらといえば、「好きと嫌い」が真っ二つにわかれる天ぷらで有名です。
特に地元民にとっては年配の方は好きな人が多く、若い人にとっては「大黒屋は1回行けばいい」という声をよく聞きます。
また口コミなどをみても、行列を並んで入った方々も「がっくり」などの意見もあったり、「やっぱり浅草といえば大黒屋の天丼」といった口コミもあったりとまさにまちまち。
とは言っても、いつもは平日でもとにかく店先は行列で並びたくない者にとっては、「いつか・・」と思いつつウン十年。
何百回と店先を「いつか。。。」と思いながら、見送っていたけれど、なんと今日はコロナの影響で浅草も観光客が少なく、なんと大黒屋までも店先に人がいないというまさかの状況。
最初は休みなのかと思ったくらい。
本当はこの先の焼肉屋に行くつもりで、胃袋は網で焼かれたお肉とビールをいまかいまかと待ち望んでいたので、まさかの天ぷらという選択に、ほんの少し休みだったらいいのになと淡く期待もしてしまったりもした。
待ち時間ゼロの大黒屋に行くなら、いまでしょ!ということで初入店。
大黒屋さんの店内は意外にもこじんまりとした佇まいで、昭和の一軒家といったレトロな雰囲気でかなり好きな雰囲気。
池波正太郎さんが板わさで日本酒呑んでそうな佇まいです。
ちなみに調べてみたら池波正太郎さんが浅草で好きな天ぷらは中清さんでした。
でも、こち亀の両津勘吉が「浅草なら天ぷらだよ」と大黒屋で食事するシーンがあるので有名らしいですね。
年配の女給仕さん(なんとなくこの言い方が似合う感じの方が多い)が、手慣れた感じでお茶を持ってきてくれました。
口コミによるとこちらの店員さんはあまりいい評価がないようですね。
なんというか、いつも忙しい店内なので愛想をふりまいている余裕はないんだろうな、と思います。
とにかくせわしなく動いてらっしゃいます。
コロナの影響で待ち時間ゼロといっても店内はそれでも9割以上は席はうまっていますからね。
では、ということでメニュー表を拝見。
天丼(エビ、きす、かき揚げ) 1550円
天丼(エビ2、かき揚げ1) 1750円
エビ天丼(えび4) 1950円
価格の違いはどうやらエビの数がポイントのようですね。
とにかく贅を尽くしたい!という方はエビだけの天丼もあります。
天丼だけではなく、天ぷらだけもありますね。店内をぐるりと見渡すと、ほとんどの方が天丼を注文されていますね。
ちなみに。。
こちらは天麩羅という表記になっていて、天婦羅とどう違うのか?と調べてみたら、正しい表記が天麩羅で天婦羅は当て字なんだそうです。
どうでもいい話でした。
ちょっとしたつまみもありました。
板わさがおすすめなのでしょうか?
お酒も種類は少ないけど大体ありますね。
急かされるように注文をとりにこられたので、慌てるように天丼とビールを注文。
瓶ビールはキリンかアサヒか?の二択でもちろんキリンを注文。
このお店に来る前に浅草のガシャポンやさんで、我が家の猫にそっくりなものを発見!
これは!1回500円の高額なガシャポンだけど、ここはコンプリートを決めたいと2回目をするものの、早くも2回目にして同じものを引き当てるという、、、
あけるものイヤなのでこのまま
そんな失態に思いをはせながら待つこと10分。。
ちなみに待っている間に地元の人らしい方が何人か
「今日は天かすないの?」って感じにいらっしゃってました。
いつもは天かすあるのかな?と思いつつ。。。
到着しました。
そうそう!
天丼といったらこのふたつきで、蓋からエビのシッポがはみ出ている感じがなんともそそられますね~~~。
このふたを開ける瞬間がいいんですよね。ということで
オープン!!
真っ黒な天丼。
噂には聞いていたけど、大黒屋の天丼は黒いんですよね。そしてふたを開けたらぽわーーんとごま油の香りが鼻をくすぐってきます。
そして一般的に美味しいと思われているサクッとした衣が薄い天ぷらとは真逆の、ボテッと衣が分厚く、天ぷらも濃いタレを吸い込んでしっとりとしています。
では、長年食べようと思いつつ食べれなかった大黒屋の天丼の味やいかに!
あーーー、なるほどね、と。
見た目の濃さの想像を裏切って、意外にも味はそれほど濃い感じはしないです。
焦がし風のたれをたっぷりと吸い込んだ、卵の割合の多そうな厚めの衣がご飯とよく合います。
かき揚げは想像していた野菜たっぷりのかき揚げとは違って、小エビがたっぷりと入った天ぷらでした。
エビとキスに関しては、素材自体は別段プリップリといったわけでもなく、一般的な素材かなと感じました。
こも添えられた漬物がかなりいい働きをしてくれるのです。
濃いめの味付けの合間のたくあんがあるだけで、箸はすすみます。
天丼といっても器は小さめなので、ご飯は一般的な天丼よりも少ないかなといった感じはしましたが、食べていくうちに油をたっぷりと吸った衣のせいか胃が持たれるような感覚がありました。
美味しいかまずいか?
というよりもこれは完全に好きか嫌いか?ですね。
この濃いめのたれをたっぷりと吸い込んだぼってりとした天ぷらは、他に類をみないと思うので、唯一無二の天丼というか、これが大黒屋の天丼なのです。
明治二十年創業の老舗天麩羅屋さんということで、今は4代目がついでその味を守っているということで、これはこれで伝統の味なんだと思います。
いまは衣が薄くて素材の味を生かした、サクッとした天ぷらがプロの味として評価されていますが、これはこれで130年以上もこの味を守っているということに敬意を払うべきなのだろうと思います。
130年前の人が浅草の地でこういう天ぷらを食していたんだな、と思いをはせるべき食べ物で、うまいかまずいか?といった議論をうむものではないだとおもう。
年配の方が好むのはかつて食糧事情がよろしくない時代に、この天丼は衝撃なおいしさだったに違いないんだろうなあと思います。
そして郷愁もあってか、年配の方にとっては【大黒屋の天ぷらはうまい!】といった感覚がずっと残っているのかもしれませんね。
思えば、神田やぶそばとか駒形どじょうとかとにかく老舗の店というのは同じ感覚とニオイがありますね。
神田やぶそばは、、、
接客も思えば同じ感じです。
年配の店員さんがせわしなくしていて、客は食べさせていただきます、といった感じでなんだか低姿勢気味になってしまう。
だからといって価格は決して安いわけではなく、むしろ高いほうでそして量が少ないという点は共通していますね。
ほら、さっき食べ終わったばかりのどんぶりをすぐに片づけにくるあたりも、老舗感満載です。
まあ、外をみたら1組並んでいたので仕方ないでしょう。
浅草大黒屋の天丼のお持ち帰りとは?
大黒屋さんもテイクアウトやってるんですね。
エビ、かき揚げ、ししとうが入って1000円で購入できます。
ちなみに店内で食すると一番安い天丼で1550円です。
そちらにはえび、かき揚げ、ししとうに加えてきすが入っているんですよね。
でも、大黒屋さんの天ぷらだったらサクッとした食感は店内で食べてもないので、お弁当でも十分店内で食べるのと変わらないと思います。
きすは入っていませんが1000円で味わえるのなら、行列に並ぶことを考えたらお持ち帰りでも十分だと思ってしまいます。
確かにサクッとした天丼がお好みの方からしたら、1時間以上も待たされて店員はそっけないし、しかもてんやの価格が倍ほどもするしっとりとした天丼がでてきたら、怒るものわかります。
でも、これはやっぱり一度は食べてみないとわからない味だし、この濃いタレのからまった分厚い衣が好きな方もいるので、やっぱり一度は食べてみた方がいいと思うんですよね。
お持ち帰りも真っ黒天丼がドーーん!!!
それを考えると、並ばないで1000円で店と変わらない味を味わえるお持ち帰りにするのが一番リスクが少ないのでは?とも思ってしまいます。
あっ!
お持ち帰りのこの天丼ですが、このままレンチンしたらちょっと容器が歪んでしまったので、気を付けてくださいね。
ちなみに浅草って地元で長年住んでるけど、いつもちょっと変わったものに出くわします。
今日は千と千尋の神隠しに出ていたような豚を発見!!!
えっ!ブタって。。しかもミニブタとかではなく、本格的な大きさの豚ちゃん。
ここで呑んでいるお客さんのペットらしく、つながれていました。
とんかつって書いてあるけど、名前かな。
こういう自由度が高い浅草がやっぱり好きですね。
ということで本日もおいしゅうございました。
浅草大黒屋の店舗情報
営業時間
[月〜金・日]
11:10〜20:30
[土・祝]
11:10〜21:00
日曜営業 定休日無休